わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 お店を出て再び歩きはじめる。

彼女の足が止まったのはわたしの家から十分ほど離れた建売のマンションだった。

新しいだけあり、マンションの前の前のタイルもきらびやかだった。

「ここ」

「こんな所に住んでいるの? てっきりワンルームとかだと思っていたよ」

「いろいろあるんじゃない? 不思議じゃないけど」

 彼女はマンションの中に入っていく。そしてインターフォンを押していた。

 口元に人差し指を当てわたしに合図する。黙っていろということなんだろうか。

 よく考えると奈月に頼んだわけで拓馬がわたしが来るということを知らない可能性もある。

 インターフォンに応じる声が聞こえ、わたしは思わず声を出しそうになる。だが、奈月ににらまれて思い直す。

「持ってきたよ」

 拓馬は少し枯れた声でお礼を言うと、インターフォンを切る。

何か切り替わる音が聞こえ、奈月は透明なガラス戸に手をかけ、中に入っていく。

脇には観葉植物が並べられてある道を通ると奥にあるエレベータの前まで行く。