わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 一階まで行くと、静まり返った校舎内がわずかにざわつきを取り戻しているような気がした。

そして、目の前にある靴箱のところでは男の子と女の子が話をしていた。

二人とも見たことはないが上靴の色から一年だと分かる。

顔を赤くしている男の子とは対照的に女の子はどこかさめた表情でそんな状況を見つめていた。

告白でもしているのかもしれない。

そう思ったのでできるだけ二人とは焦点を合わせないように顔を背ける。



 恋愛、か。



 わたしは佳代が驚いたように、色恋沙汰には縁がなかった。

誰かを好きと思ったことも、好きだと言われたこともほとんどなかった。

全くといえないのは、一度だけ告白じみたことをあいつに言われたからだ。

それが告白なのか、独占欲なのか、思いつきなのか、答えは分からない。

 また頭の奥深くに収めた記憶を引っ張り出そうとしてるのに気づき、首を横に振る。

なんでこうあいつのことばかり思い出してしまうんだろう。

 わたしのファーストキスを奪い、恋とは真逆の感情を植え付けた彼を。