わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 さっきわたしに問いかけたのと同じ声でわたしに言葉を投げかける。

 わたしはさっぱり事情が飲み込めない。

そして、彼の言葉が突然砕けた理由も分からなかった。

「初対面、ですよね?」

 わたしは記憶を辿るが、彼に似た人を見た記憶はなかった。

 そう問いかけた彼が笑みを浮かべるのが分かった。

爽やかという言葉がぴったりな笑みだ。

「そうだよ」

 彼はわたしの腕をつかむと、体を引き上げた。

あっさりと、まるでぬいぐるみでも持ち上げるかのように。

「じゃあ、もうこけるなよ」

 その言葉に顔が赤くなるのが分かった。

 その人はそんなわたしを見て、からかうような笑顔を浮かべると、そのまま階段を上がっていく。

 彼の姿が見えなくなって我に返る。

 今、ものすごく見知らぬ人に迷惑をかけてしまった。

そのことを思い出すと、顔から火が出てきそうな心境だった。

できるだけ今の記憶を忘れようとして、職員室に行くことにした。