わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 一人暮らしなんて大学を県外に出た人や、働き始めて独立したいというときにするものだと思っていたけど、そうでない人もいた。

母親がやっている料理なんかを自分がするところを想像し、げんなりしてきてしまった。


「じゃあね、美月」

 振り返ると、笑顔を浮かべた里実の姿があった。

「じゃあね」

 彼女に別れを告げ、ため息を吐く。

いつもより重い荷物を手に、普段はあまり通らないわき道を歩いていた。

本当なら里実と一緒に帰るはずだったのだが、帰りがけに母親からメールが届いたのだ。

しょうゆが切れているので買ってきて欲しいと。

そのため、まっすぐ帰らずに途中にある横道を歩いていく。

そこを歩けば三分ほどでお店に到着する。

里実はついてこようかと言ってくれたが、さすがにそうするわけにもいかず、一人で行くことになった。

あと曲がり角を一つ曲がれば、お店のある通りに出る。そのとき、見覚えのある人を見かけたのだ。

その彼女の顔を見て、思わず声を出しそうになる。彼女の同じ気持ちだったのか、わたしを見て目を見張る。