わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 その日、一日は佳代や里実も拓馬の話を切り出してくることはしなかった。

顔になにかでていたのかもしれない。

そのことに例外なくほっとしていた。帰りがけに拓馬の姿を見つけなかったことにもまたほっとしていた。


 家に帰ると短くため息を吐いた。お母さんも奈月も家にはいないようだ。わたしは誰もいないリビングのソファに腰を下ろした。

「拓馬のメール相手、か」

 頻繁にということは一日に二、三度以上、それも毎日に近い頻度でしているのだろう。

 わたしは自分の携帯を手に取る。幼馴染だとか、好きだとか言われたのに、ここには彼の番号は入っていない。こんなことなら直接聞けばよかった。

だが、最初に意地をはったことで、聞くタイミングを逃してしまっていた。

 帰りも一緒じゃなかったし、ますます聞けなくなる。


 部屋に戻ろうとリビングに出たとき、玄関の扉が開く。そこに立っていたのは妹だけではなく、わたしが先ほどまで考えていた男の人の姿があった。

「一緒だったの?」

「うん。今日、お兄ちゃんが家に泊まるんだって。明日は休みだし」

「そんなこと聞いてないんだけど」