わたしは年下の幼馴染に振り回されています

 数学の授業が終わると、テキストを閉じた。

 何気なく窓の外を見る。

 一夜明けてもわたしの心は浮かないままだった。

「拓馬君と仲直りできた?」

 佳代がわたしの机まで来るとそう問いかけた。

「一応ね」

 昨日の帰りはあまり話せなかったが、今日は普通に言葉を交わせた。

 本田翔子という子は一体どんな子なんだろう。拓馬を好きな美少女というのは分かるが、わたしが知っているのはそれだけだ。

「一年の本田さんって知っている?」

「知っているよ。可愛い子だよね。少し冷たい感じはするけど」

「どんな子?」

 佳代はにんまりとした笑みを浮かべ、わたしの顔を覗き込む。

「そういえば、拓馬君のこと好きらしいね。彼女」

「やっぱりそうなんだ」

「結構噂になっていたよ。あれだけ可愛いと、それなりに噂も流れるし。本人がはっきりいったわけじゃないけど、結構あからさまなんだってさ」