「…自販機の所で…その…告白を少々…」


真妃が少し頬を染めて言う
それにもムッとなる


「えっ?!真妃ちゃん、コクられたの?!誰に?!誰に?!」


真妃の言葉に興味深々の田中
それは俺も気になったので田中を止めずに真妃の答えを待つ

すると、真妃が首を傾げて唸る


「うーん…知らない男の子だった。名前を名乗られたような気がするけど…覚えてない」


哀れ、告白男子
名前すら覚えてもらえていない


「なんか真面目そうな人だった。でも…私は郁くんが好きだから"ごめんなさい"って言って逃げてきた」

「…そう」


なんて答えていいかわからず、簡単に相槌を打った

そんな俺に田中が小さく言う


「これで分かったろ?もたもたしてたら、掻っ攫われていくぞ?」

「………。」


初めて焦りを感じた
俺は…真妃をどうしたいんだ?