「郁くん、噂を事実にしよう。私を彼女にして!」
「心に響かないので、却下」
郁くんの心を掴むのは難しい
でも、諦めない!
「郁くん、大好き!付き合って下さい」
「ノーマル過ぎてつまらない。…却下」
手強い…
「じゃ、結婚して」
「ぶっ飛び過ぎ。法律的に無理。俺はまだ17才だ」
そんな掛け合いをしていると、授業開始の予鈴が鳴る
「真妃、ハウス。間違えた、デスク」
郁くんが犬に言うみたいに私に言う
郁くんが指差すのは私の座席
席に戻れということか
「…わん」
ひと鳴きして机に戻る
そんな、妙な掛け合いをしていた私達を、クラスメートが生暖かく見守っていた