「おまえ、迷子癖あるんだから寄り道しないで歩けよ。完璧に道を覚えるまで寄り道禁止だ」

「大丈夫だよ!迷子になったら郁くん見つけてくれるもん!」

「道を覚える努力をしろ」

「じゃぁ、覚えるまで郁くん一緒に登下校して?」


覚えても一緒に登下校したいけど、今は黙っておく


「…覚えるまでだからな」

「うん!!」


優しい郁くんはそう言ってくれると思っていた


「郁くん優しい!好き!」

「優しくないよ。後々、面倒な事になるのが嫌なだけ」


って言うけど…郁くんは優しいよ
今、ココに郁くんが居るのが何よりの証拠

私は迷子を想定して早めに家を出た
でも、郁くんが現れた

郁くんは、私が家を早く出ることを予想した上で、私の家の近くで待っててくれたんだ