郁くんの後を付いて歩く
時々、こっちを見て私がいる事を確認しながら歩いてくれる


「ねぇ、郁くん。どーして学校で逃げるの?私、郁くんとお話したいのに」

「俺の噂聞いただろ?」


郁くんの噂
人を近づけない
暴言を吐かれる
教師を一人辞めさせた事がある
マスクの下は大火傷の傷がある
実は口裂け女の子供だ
…などなど


「凄いラインナップだった」

「あぁ、凄いラインナップだ。だから、俺に近づくな」

「なんで?」

「変人の俺と関わったら、お前も変人扱いだぞ」


そこまで聞いて私は理解した
そして、ニヤけてしまう…

郁くんは私の為に、私を避けていたんだ
郁くんはやっぱり何も変わってない