その後、俺のマスクの理由、俺の嗅覚の話をしながら真妃の匂いを辿っていく


「嗅覚の事…言ってくれれば良かったのに。そーすれば、変人扱いされなかったかもよ?」


佐々木さんはそう言うが…


「言った所で信じない人の方が多いからね。"俺の嗅覚犬並みです"って言ったら、別の意味で変人扱いになる」

「でも、俺はイっくん信じる!」


うん、この二人なら信じてくれるかもって思ってた


「あ、発見」


真妃の匂い濃くなった頃
散歩コースからだいぶ外れた林の中に真妃は居た

俺が言った通り
その場で座って待機してたらしい


「真妃」


俺が声を掛けると真妃が顔を上げた
そして、俺の姿を確認すると立ち上がった