マスク男子


心を無にして
ただひたすら明堂くんと歩く事だけに集中する

が、今度は無になり過ぎたらしい


「大丈夫?疲れた?」

「え?」

「いや、口数減ったから…」


何てことでしょう!
心配させてしまいました!

"実は、心を無にしてたんです"
なんて、言えない!


「う、うん…ちょっと座りたいかな」

「じゃ、あそこのベンチ行こう」


池を見渡せるいい感じのベンチ
そこに導かれる


「俺、お手洗い行ってくるね」

「うん、わかった」


私を座らせてから、明堂くんはお手洗いに向かった

そこで、やっと一息
心を無にするのも大変だなぁ


張り詰めていた緊張を解いたのがマズかった
一瞬気を抜いた瞬間に私の悪い癖が発動した


「あ!猫!」


視野に飛び込んで来た一匹の野良猫
私は、ベンチを立った