マスク男子


「そっか、じゃぁ、高級レストランで真妃ちゃんが恥をかくことは無いわね。よかった」


どこまでも真妃を心配してくれる佐々木さん
優しい人なんだね


「でも…やっぱり、納得いかないのよ」


ん?
怒りが治ってたと思ったら再発?

ジロリと睨まれる俺


「そもそも、なんで王子のあんな申し出受けちゃうのよ!!」


佐々木さんは、俺が許せないらしい
超怖い…


「なんで受けたか…それは、明堂が真妃へのアプローチを止めてくれるって言うから」


それと、もう一つ…


「明堂に…感謝してるから。心配だけど、許可した」

「感謝?イっくんが?明堂に?」


田中が首を傾げる
佐々木さんも分からない様子

だから、答えを教える


「明堂が現れなければ、俺は真妃をどーしたいのか分からないままだった」


明堂が現れて、真妃に好意を示した
初めて、真妃を取られる恐怖を覚えた

俺は、真妃を離したくない
明堂の登場が、俺の曖昧な気持ちをハッキリさせてくれた

だから、明堂には感謝してる
だから、申し出を受けた

でも、真妃をあげるつもりは1ミリも無い