砂糖菓子より甘い恋1

毬は足早に歩きながら、桜の花びらを先日龍星からもらった護符の間に挟んだ。
見目麗しいうえに、あんなに優しくされると、心臓が跳ねて仕方がなかった。


「お待たせしました」

部屋に入る。


一歩入ったところで、空気が重いのを感じた。

外は明るかったのに、部屋は薄暗い。


「雅之様。先日のご無礼深く反省してますわ」


しおらしく、雅之の背中に声を掛ける。


「気になさらないで、姫」

「ではまた笛を教えてくださるのね」

「もちろんですよ。姫に会えなくなるなんて辛すぎますからね」



さらりと、熱烈なことを言う。



「どういう、意味?」



毬は違和感を感じて後退った。