山の頂上について各自、絶景ポイントにうつる


頂上だけあって、凍えるような寒さ



「瑠奈、こっち」


智也に手を引かれ、みんなとは全然違う場所に進んでいく


ログハウスの裏にまわり、瑠奈を抱き上げてその屋根にのせる


智也は軽々とのぼると、瑠奈を後ろから抱き締めるように座った



「見てみ?」



スッと智也の指が前に伸びる





「うわぁーっ..綺麗」




自然と口から漏れた言葉




何にも邪魔されない視界




目の前に広がる星空




下に広がる街並みは



キラキラと宝石のような光を放っている




星空と街の境界線がわからないほど..




吸い込まれてしまいそうで、瑠奈は智也の手をギュッと握った




「瑠奈、上」



言われるままに上を見る




真ん丸な月




真上から瑠奈達を照らしている




その大きさと放つ光に



いつもより、とても近い場所にいるのがわかる




「..瑠奈は月みたいだな」



月を見上げながら、智也が呟いた



「え?」



瑠奈は不思議そうに首を傾げる



智也は何も言わず、少し笑って瑠奈の髪をクシャッと撫でた