綾は驚いたように三人を見た後、涙を浮かべて瑠奈に飛び付いた



「..ありがとぅ..っ」



小刻みに震える小さな肩が、綾の今までの辛さを感じさせる



瑠奈の姿を見ただけで何も話せなくなるような女達に、再び怒りが芽生えた



「こいつ等、職員室つれてく途中なんだけどどうする?」


怒りを抑えるように、綾の頭を優しく撫でる



「もう大丈夫。またなんかあったら瑠奈に助けてもらうから」



そう言って、綾は悪戯な笑顔をみせた



瑠奈の怒りが浄化される




綾は強いね..




「なんかあったらいつでもくるから」



真面目に返した瑠奈の言葉に、綾の頬を涙が伝った



それは、綾ががんばって耐えてきた証の涙



最後に女達にもう一度謝らせて、綾と学校を後にした




二人は手を繋いで歩く



「瑠奈、ほんとにありがとう」



綾は退学届けを出すつもりだった、と小さく笑った




間に合ってよかった..




綾の笑顔をみて、心からそう思った





見上げれば、夕焼けが広がる





複雑に混ざりあう色は





みんなの想いのように





悲しくも美しい..