君を想う【実話】



「智也くんは優しすぎ。普通、友達のために好きな人を諦めようとする?」



少し呆れた声


そう言って、静はコタツから顔だけ出して顔をしかめている



あれから数日



智也からの連絡は、片手で収まる程度



「そうだよね..」


少し溜め息をはきながら、瑠奈は横目で携帯を睨んだ



最近じゃ、元気のない瑠奈を心配した静がよくこうして泊まりにくる



「..どうすればいいんだろっ」


独り言のように何度も呟く言葉



智也の言葉と態度の矛盾さが、瑠奈にはわからなかった



「でも、もしも静の好きな人を瑠奈が好きになったら..」


静は真剣な表情で自分自身に問いかけている



その表情からして、"好きな人"に彼氏の直人を当てはめているのだろう



「..諦めるかも」


しばらく考えて、そう言って苦笑いを浮かべた



「えぇっ!?」


瑠奈は予想外の答えに驚いて、思わず大きな声をだす


絶対に諦めるなんて言わないと思った





瑠奈だったら





例え、静でも





智也だけは





誰にも譲れないから..