「はいよ」


竜は自動販売機で買ったココアを瑠奈に渡す


「ありがと」


ココアを両手で握り、冷えた手を暖めた


そんな瑠奈の頭を撫でて、竜は優しく微笑む



「なんかあったろ?」


少し間を置いて、首を横にふった



「はぁ..何年お前のこと見てきたと思ってんだよ」


溜め息とともに、竜の顔が真剣に変わる



「なんでも言えよ。俺等..親友だろ?」



優しい声が胸に染みた



散々傷つけたのに、こうして今も変わらず心配してくれる




竜になら話せる..




瑠奈は、竜に今日のことやその経緯を話した



竜は時折頷きながら、黙って話しを聞いてくれた



「そっか。でも、智也くんがそんなこと本気で言うわけねぇよ。絶対になんか理由があるはずだから」



話終わった後、竜は力強く瑠奈を見つめた



"絶対"なんて確信のない言葉も、竜が言うと信じられる気持ちになる



「ありがとう!なんか話したらスッキリした」



瑠奈が笑うと、竜も嬉しそうに笑う




竜のおかげでもう一度、智也を信じることができたよ..




その日、朝日がでるまで二人は話していた