「はぁ..やっぱここだったか」



頭の上から声が聞こえる


瑠奈は涙を拭い、声の主を見上げた



「浜田先輩..」


浜田先輩は優しく微笑んで、瑠奈の隣に座った


「智也の母ちゃんから連絡あった」


「そっか..ごめん..」


いつもみんなに心配かけてしまう自分に溜め息がでる


「あれ?でもなんで..」


瑠奈は不思議そうに浜田先輩を見る



やっぱりここか、って言ったけど..



「あ〜..智也がここ通る時、いつも悲しそうっていうか..懐かしそうにしてたの思い出して」


時間かかったけどな、と付け足して少し笑った



智也も同じだったんだ..



「お前は、何くだらないことで悩んでんだよ」


呆れたような声を出して、浜田先輩は瑠奈の頭を小突く


「くだらなくなんか..」


瑠奈は小さく呟いた



「ったく!智也はそんなにやわじゃねぇよ?あいつに医学的な理論なんて通用しねぇよ」


そう言って笑う浜田先輩の笑顔は、自信に満ち溢れていた


「..そうだよね」


その笑顔を見ると、なんだか悩んでいた自分が馬鹿らしくなる




智也を信じるって決めたんだから、最後まで信じなきゃね..