「俺、馬鹿だった。瞳は、そんな奴じゃねぇのに。俺の幸せを一番に望んでくれてたのに..」
拓磨は、顔をあげて真っ直ぐに瑠奈を見つめた
「瑠奈、お前が好きだ」
瑠奈だけを見つめる、迷いのない眼差し
初めて呼ばれた名前
初めて聞いた好きという言葉
涙がとまらなかった
瑠奈は、待っていたのかもしれない..
拓磨が、拓磨にしか見えなかった
拓磨に重なる海斗の姿は、もうなかった
「拓磨..」
初めて口にする、拓磨の名前
それを聞いた拓磨もまた、涙を流した
時間を忘れるほど、強く抱き締めあった
「瑠奈、俺にも聞かせて?お前の全部が知りたい。お前の大切な人を知りたい」
拓磨の言葉に瑠奈は頷き、全てを話した
海斗のこと
智也のこと
"大切な人"の話を―..