「どうだった?」
拓磨は慌てるわけでも不安気にするでもなく、いつもの表情のまま
「妊娠してた」
瑠奈も普通に答えた
妊娠したからといって焦ることはない
瑠奈に、産む以外の選択はないから
「そっか」
拓磨は瑠奈のお腹に手を当てる
その顔は、とても優しい笑顔だった
言葉はなくても、喜んでいることがわかった
出会ってまだ数ヶ月
お互いのことも全然知らない
でも、子供ができたら逃げる人もいる中で、拓磨が喜んでくれたのが嬉しかった
ただ、その理由を考えると少し複雑な気持ちになる
「籍も入れないとな」
拓磨は瑠奈の手を引き、ベッドに座らせた
子供を産むということは、だいたいが結婚するということだろう..
智也を思い出して、心が痛んだ
でもこの命を守るためなら、どんな犠牲も覚悟してる
それは、あの時から―..
拓磨と一緒になるなら、お互いに話さなきゃいけないことがある
今まで触れなかった過去のことも..
