瑠奈はしばらくして仕事を辞めた


専業主婦というのだろうか、拓磨が仕事の時以外はずっと一緒にいた



「いってらっしゃい」


「おう」


仕事にいく拓磨を見送る



昼前になって洗濯を済ませ、掃除をするため拓磨のものを片付けていた




「あれ?」


見たことのない財布があった


瑠奈のではないけど、拓磨がいつも使っているのでもない





バサッ―




どうしよう、と思っていると中に挟まれていた何が落ちた





その瞬間、瑠奈は固まった




拓磨と女の人の写真..





そんなことに固まったわけではない





嫌な汗が流れる





女の人から目が離せない





少し茶色のストレートの髪


身長が低く、小柄な体型



見る限り、拓磨と同じくらいの年だろう






自分でも驚くほど、瑠奈に似ていた..





写真の女の人のほうが、メイクも薄くて明らかにお姉さんなのに



雰囲気なのだろうか、瑠奈の未来を映し出しているような女の人



そして、隣で笑う幸せそうな拓磨の笑顔





二人の姿に、生唾を飲み込む






全てが繋がった気がした―