「あんたは、瑠奈のこと好きなの?」


瑠奈は呆れたように、そっと呟く


「好きだよ」


ためらわずに答える拓磨



「誰に言ってんの?」


思わず出てしまった言葉に、瑠奈は視線を反らす


拓磨は何も答えない


「せめてごまかすくらいしなよ」


軽く笑って、うつ向く拓磨の頭を小突く



「..俺、お前が必要だよ」


不安気な瞳が瑠奈を見上げた


「うん、瑠奈もだよ」


その言葉に拓磨は安心したように笑う



瑠奈達は弱いから..



拓磨の態度も口調も弱い自分を隠すためだって、わかるようになった



「仕事、辞めよっか?」


瑠奈の言葉に拓磨は驚いたように、でもすぐに笑顔で頷く


拓磨がいう言葉は、独占欲や嫉妬心じゃない


強い不安感や孤独感




瑠奈は拓磨を救うことで



海斗を助けてあげれなかった、自分自身を救っていたのかもしれない..