着くとそこには、先輩とその男がいた


辺りを見回しても二人しかいない


正直、もっとたくさんいてリンチにでもあうのかと思っていたから拍子抜けだった



沈黙の中、最初に口を開いたのは先輩だった


「いきなり呼び出して悪いね。佐々木、あんた人の男だって知ってたの?」


怒鳴るわけでもなく、先輩は淡々と言った


「知りませんでした。彼女はいないって聞いてたんで」


瑠奈は聞かれたことだけ、ありのままに話す


「そっか。あんたは、こいつのことが好きなの?」


「そうゆう気持ちは、一切ないです」


あまりにあっさり答える瑠奈に、男は苦笑いを浮かべた


「あんたのことは噂でもよく聞くし、そんなことだろうと思ったけど..」


先輩は、今までと違う鋭い目で瑠奈をみた



「私は、こんな奴でも愛してるの」





愛..?





思いもよらない言葉に瑠奈は、返す言葉がなかった