「瑠奈..あの時、なにがあった?」


先に口を開いたのは智也だった


話そうか迷ったけど、もう嘘はつきたくない



瑠奈は智也にあの時の真実を全て打ち明けた―



智也は涙を流しながら瑠奈を抱き締め、最後まで黙って話を聞いてくれた


「瑠奈..ごめん..守ってやれなくて..ごめんな..っ」


智也は震える腕で、力いっぱい瑠奈を抱き締めた


「智也は悪くないよ。謝らなきゃいけないのは瑠奈だから..」


瑠奈は浜田先輩に聞いたことを智也に伝えた


そして、もし智也に会うなら伝えてほしいと頼まれた伝言



「智也..みんな心配してるから..みんな待ってるから..早く戻ってこいって..」



智也は瑠奈の肩に顔を埋め、黙って何度も頷いた



「瑠奈..俺、戻るよ..」



その言葉を聞き、安心した瑠奈の目からは涙がこぼれた


「ふっ..瑠奈は相変わらず泣き虫だな」


「..智也だって」


笑顔を見せると、智也は瑠奈に優しく唇を重ねる



「..瑠奈も..戻ってこいよ」



真剣な眼差しに、海斗の顔が浮かんだ


「うん..」


ゆっくりと目を閉じる




もう、瑠奈の答えは決まった―