君を想う【実話】

二人とも無言のままベッドに横になった


煙草の煙をはく音だけが聞こえる


沈黙を破ったのは、海斗


「..瑠奈が地元を離れたのは、元彼が関係してんのか?」


予想通りの質問


「してる..けど、原因じゃない」


智也は巻き込まれただけ


そう言いかけて、辞めた


「あのメールを見る限りじゃ瑠奈の一方的な別れっぽいけど..」


海斗はきっと迷ってる


瑠奈の過去を聞いていいのかどうかを..



「..好きだった」



瑠奈はゆっくり、目を閉じる



いつかは話す日がくると思っていた



「瑠奈、話してくれるか?無理しなくていい。途中で辞めてもいい」


瑠奈の手をしっかり握る



こんな時にまで優しい海斗..



「..うん、話すよ」


瑠奈は目をつむったまま、思い出す




消し去った日々を―..