「初めて瑠奈に会った時、こんな可愛い奴がいるんだなって思った。男癖の悪さも噂で知ってたけど..」
海斗は真っ直ぐに海を見つめながら話を続ける
「久しぶりに会った瑠奈は感情のなくなった人形みたいだった。でも、たまに見せる悲しそうな顔から目が離せなくなってた」
その横顔を瑠奈は黙って見ていた
「こんな小せぇ体で一人で抱えこんで..俺が守ってやりてぇって思った。瑠奈の笑顔が見たかった。今思えば、一目惚れだったんだろうな」
初めて聞く海斗の想いに、涙が頬を伝った
「..瑠奈?..泣くなよ。俺は、お前の笑顔が見たいんだよ」
海斗が瑠奈を抱き締める
「..まぁ、泣き顔も好きなんだけどな」
「..馬鹿」
瑠奈が笑うと海斗も笑う
この笑顔に何度、救われたことか..
「海斗..ありがとう」
自然と二人の唇が重なりあう