やばい。
恥ずかしい上にRanからしたらとても迷惑なこの状況。
早くどかなきゃっ!!
そう思ったけど、
Ranが驚いたように綺麗な目をまん丸にして、私を見ていることに気づいた。
「…………っ」
今Ranに見られてる……そう思うと体が硬直して動かなくなった。
最悪な状況なはずなのに胸のドキドキが加速していく。
そんな私をもっと驚かせたのは
Ranが私を見てほんの一瞬だけ……
口角をあげてニヤッと笑ったこと。
なに今の………?
なんだかいけないものを見てしまったような妖艶な笑みに体が震えた。
…早く立たなきゃ!
そう思うのに私はいろんな驚きからか完全に腰を抜かしてしまい、立つことが出来ない。
そんな私に
「立てるか?」
上から甘く柔らかい声が響く。
声の方を向かなくても分かる。
声の主は、座り込んでいる私に手を差し伸べた。
もちろん、周りの視線は私に一斉に集中した。
当の私はというと、この状況が理解できず、パニック中。
「え……なにあの子?」
「まさか、さっきの女じゃなくて、こっちなの?」
色んな声が聞こえるけど、そんなこと今はどうでもいい。
私は恐る恐る上を向き、分かっている、声の主の顔を見た。
やっぱり
……Ranだ。
Ranは私を見て、ニコッと笑うと
もう一度「立てる?」ときいた。
そして、さっき一緒に歩いていた女の人をふわっと離すと、
列、戻って と 声をかけた。
