彼らの姿が大きくなっていくうちに
心臓の音がどんどん大きくなるのを感じる。
私の方を見るはずがない。
わかってる。
でも、もしかしたら…って
そんな期待が脳裏をよぎり、
裏口の扉まで残り数mになった頃には
緊張で汗びっしょりになっていた。
そして、その頃、
もちろん彼女らは会場の時の様な
キャーーーーーーと
大きな悲鳴をあげ……
あげ………
あげ……ない?
あ、れ?
Ranはもう扉に手をかけようとしているというのに
誰一人として声を発しない。
……なに?この感じ。
もしかして、Ranじゃなくて他のメンバーのファン、とか?
いや、それにしても少しは喜んだりしていいはずなのに。
周りを見渡してみると
みんな扉が開くのを今か今かと待っている
……のに、声だけは誰も出そうとしない。
そして、
Ranが私たちの元へと、一歩足を踏み入れた。
