3m先の君に恋愛奮闘中





会場に着くと、D GrantのTシャツを着た人が数え切れないほどいた。



「うわぁっ…」



世の中にはこっんなにたくさん


彼らに魅了されてる人がいるんだあ。




…やっぱり、凄いな。



それだけのことに物凄く感動した。



「あんま興奮しすぎて転ぶなよ」



龍が茶化す。



そういう龍も目をキラキラさせている。




「興奮してんのはどっちだか…」



「ん?なんか言った?」


「べっつにー…」



そんなことを話しているうちに


会場のライトがキラキラといろんな色に照らされ始めた。



「お、始まる」




そして、どこからか流れる曲とともに



彼らは颯爽と登場した。





まずは、ドラムのAkira




次にベースのMizuki





ギターのYuu




そして……




「………っ」




息が、止まる。




私の目が、耳が、心が




スローモーションのように



彼の動き一つ一つをとらえていく。





「Ran…」





彼が上がってくると、私のつぶやきなんかもちろん掻き消され




大きな歓声が会場いったいにブワーッと広がった。



初めて見るRanはテレビや携帯で見るなんかの百倍美しくて。



何もかも忘れてしまいそうなほど美しい漆黒の瞳。



そして薄めで、綺麗に半月を描いた唇。


長い手足。


何もかもが私を釘付けにした。




「……うっ」




…かっこよすぎるよ、Ran。




思わず涙が溢れる。






『お前ら、音楽は好きか?』





Ranはマイクを取ると挑発した様に聞いた。



その言葉に会場中がウオーッと叫ぶ。



彼はその反応にニヤッと満足気な笑みを浮かべた。





『俺も、大好きだ』




「っっ!!」




………どうしよう。

涙が止まらない。



どうして、彼は私をこんなにも
魅了するんだろう。




まだ、あなたのこと全然知らないのに。



こんなにも彼に夢中になってしまうなんて、




私、きっと どうかしてる。




『 まずは、一曲目、 “lie” 』




ーーーーーそして、曲が始まる。