俺はその彼女の背中に話しかける。 「俺のこと知ってるのか?」 「え?」 彼女は顔だけ振り返った。 「その制服、同じ学校だし。俺のこと知ってて家に入れてくれたのかなって…」 すると彼女は野菜を洗って濡れた手を拭きながら体ごとこちらに振り返った。 「確かに岬高校ですけど、あなたのことは知らないです。」 まだ入学して1週間ですから…と苦笑いしながら言った。 「あそこに倒れてて、救急車も呼べないってなるともう私の家に入れるしか思いつかなくて、」