「……っ!」
そしてついに慈侑くんと目があった。
ドキッとはほんとにこう言うことだろう。
慈侑くんはこちらを見て微笑み、手招きをした。
どうしよ、女の子たちに一緒に住んでることバレたら。
やばい、吊るし上げだよ。
考えただけでも恐ろしい。
私は重い腰を上げ、慈侑くんの元へと向かった。
「ど、どうしたの?」
「あぁ。これ。渡しておこうと思って。今日も図書室の当番?」
慈侑くんから手渡されたのは、私の家の鍵。
「あ、ありがとう。そうだよ。」
「じゃあ、一緒に帰ろ。待ってる。」
そう言ってまた微笑むと、慈侑くんは教室を出て行こうとした。
近くにいた女の子たちには、幸い会話は聞こえていないみたい。
しかし、
「なんで姫野さんが王子先輩と話すわけ?」
「なにか受け取ってたよね?」
「意味わかんない」
などと聞こえてくる。

