右京は 今度こそ逃がすまいと、顎でクイッとし、そこに座れと促す。

何となくわかった佑衣は、そばにあるソファに そろりと座る。



私… 夢見てるわけじゃないよねぇ

だって、ちゃんと湯に入ってたし、この右京様も…

あの目は本物だよね?


それにしても… 広いなぁ、お家…




「 で、話せ 」

「 何を?」

「 なんで ここにいる? ファンでも警察につき出すからな 」

「 ちょっと、違うってば! ファンかもしれないけど そうじゃなくて、私は家にいたの、お風呂に!」




自分でもこの状況が理解できないのに 話せって無理だよ…




「 つい最近も 俺のベッドに寝てたんだ、合鍵でも作ったのか?」

「 合鍵っ… ベッド… そんなバカな! 私 家にいたもん 」

「 ふざけてんのかっ 」

「 ふざけてない!」




なんでよ、だいたい右京様の自宅なんて知ってるわけないのに!!

そうだよ、知ってるのはテレビの中の…


右京様だけだもん。