『ドラマ仕立てでお願いします』

彼にはわからなかったんだ、そう解釈した私は これでも傷ついている。




「 なんでなのよ… うまくいってたのに… いいとこ取りのシュチュエーション満載の恋だったのに…
何が不満だったわけ? 理解出来ない!」


「 それは佑衣、あんたが悪い。全部、佑衣が悪いの 」




私に言う彼女、山口 紗凪( さな )。

ズバリ言われたらそれなりに落ち込む…

ただ、恋がしたかっただけ。

ドラマと同じように…


何が悪いの?




「 佑衣、あんたは恋に恋してたの。彼に恋してたはず… でもね、ドラマの恋を彼としようなんて無理よ?
だってドラマじゃないんだから 」


「 わかった、もういい、私が悪いの、それでいいから言わないで 」


「 もう… ところで 何、その花… 見れば見るほど不気味ね 」




花? 不気味? 失礼な!

それより、私が花になりたかった…

もう トキメキがなくなっちゃった…



「 …うぅっ… もう泣くからぁー!!」

「 はいはい、飲んで忘れて、次はちゃんと相手を見て現実で恋してよね 」




石倉 佑衣、23歳。

失恋してヤケ酒して、酔い潰れた私を紗凪は介抱してくれた。