『ドラマ仕立てでお願いします』

ビデオを見はじめ、主演している藤野 彩月は何をするにもドジや空回りしている女の子。

それに対して完璧男子を演じる弓槻 洸。


見ていて可愛さにクスクス笑えるが、紗凪に言われた事を思い出す。



“ 恋してるのは佑衣じゃなくて、出演してる二人だから。しかも本物じゃないし ”




わかってる、作られた恋って わかってる…

この俳優も女優も、演じながら恋してるんだよ。

だから噂になったりして…

それが ボタンの掛け違いみたいに 一般の私と有名人が偶然会ったりして 恋に発展…


それも アリだよ。


そんなあり得ない恋も、どこかであるはず。



私が右京様と出会えたのも もしかしたら本物の奇跡だよ。



私が望んで夢見ても 誰も損しないんだから。


…紗凪、わかってよ。



一人、テレビの中にある恋愛ドラマに、私もいるように見る。

この限られた時間での物語が、今の私には すべて。



こんな気持ちがわかる人は 世の中にどれくらい いるのかな…?