『ドラマ仕立てでお願いします』

私と連絡を取るために渡してくれた紙を、私は見ていなかった。

それを改めて謝るが、中村は気にするなと言う。



「 佑衣さん、トケイソウって鉢花 持ってるよね?」

「 はい、なんで知ってるんですか?」


「 そのトケイソウは二鉢あって、一つは佑衣さん、もう一つは… ある人が持ってるの。
花にも命があって、しかも寄り添ってた二つの花を離してしまった事が きっと事の始まり…
だから、二つの鉢を一緒にしてやればいいと思うの 」



聞いていて、胸が締まる思いだった。

引き離した事を 花に悪いと思っていた…

もう一つのトケイソウの持ち主がわかるなら また 一緒にしてあげたい。



「 中村さん、トケイソウは… 持ち主を知ってるんですか? 」

「 会いたい?」

「 はい 」



ニコリと嬉しそうに笑みを見せる中村が、紙袋の中にお弁当が入っているからと言う。

二人で食べながら 他愛ない話をした。


私を知っている事、何でも たくさん聞きたいと思った。

それに気づいてか、中村は トケイソウの持ち主に会えばわかるからと話す。


中村の話をどこまで信じていいか、ただ、トケイソウの事は 私だけが知ること。


そして、もう一人だけ…