比奈を見つめ、瞬きパチパチさせると よけいに飽きられた。

そんな目で見られる事にも慣れてしまい、どうってことはない。




「 ねぇ 佑衣ちゃんさ、いつまでも現実離れしてると恋できないよ?」

「 何よ~ 比奈ちゃん、これが私の現実!ちゃんと恋するから心配しないで 」

「 前に言ってた俳優が主演してるドラマ見たよ、イケてるけど 共演女優と噂あるでしょ、しかも私の好きな弓槻 洸とも噂が~ ガッカリ… 」




あ、それ 右京様だ!

会ったこと話したいけど、秘密だよね…

仕方ないよ、相手が相手だし。



「 比奈ちゃん、見てて! ごちそうさまっ 」

「 え、佑衣ちゃん? 何を見てなの?ねぇ~ 」



喫茶店を出た私は なぜか ヤル気満々。

意味もなく気持ちが高ぶった。

車に乗り、そのままビデオレンタルと本屋が一緒にある店に行く。



本見てから ビデオ借りようかな。



本屋で すぐに目についたのは、右京の写真集。

ステキ、右京の視線が私を見てるかのようなアングル。

切れ長な目に、どこか冷めたようにも見えて、微笑むと吸い込まれそうで…


本当は どんな人? そう思う…



天と地ほどの距離がある。

決して交わらない私たち…



あの日のメリーゴーランド、楽しくないと言った右京。


忘れられない。



“ 思い出せ ”


あれは なんの事…?