『ドラマ仕立てでお願いします』

この日、自宅に帰ったのは夜の9時を回っていた。

ベットに横になり、テレビをつける。



「 は~… 人生初の芸能人に会ったのが伊澤 右京。でも、ドラマで見る右京様と違ったなぁ… 」



窓辺にある失恋した時に買った鉢花のトケイソウが目につく。

パッと見れば時計に見え、複雑な花に見えるが意味深な花。


しかも、このトケイソウは不思議なことに二鉢の弦が互いに絡まり繋がっていた。

店にいたお婆さんによれば、恋人のような花だと…

寄り添って弦を絡ませ離れないトケイソウだった。



“ これは 幸せに時を刻む花なんですよ、受難と愛を交差する花…
私はね、不思議な縁を この花から感じるの。
このトケイソウは特別なんですよ、夏の花なのに枯れないの。
これは最後の二鉢なんですが、お客様を選んでるように見えて… ”



お婆さんの話に私は なんだか 花に嫉妬してまい、絡まる弦を丁寧に離して一鉢買った。




「 ちゃんと大事にしてるでしょ… でも、引き離してごめんね 」




トケイソウに謝りながら、右京に出会った事を話した。



「 ドラマで見る右京様に恋してたけど、何て言うか… こんな風に出会うなんて一生ないのに、しかもメリーゴーランドに一緒に乗ったのに…
はぁ~…… 」




楽しくなかったんだよね…

う~…


それに、気になるの。


“思い出せ… やっと見つけた…”


あれはなんだったの?