『ドラマ仕立てでお願いします』

右京様の顔… ち、近っ…



キラキラ夜に輝くメリーゴーランド。

そんな中、膝に肘をつくようにして前屈みな右京が私を見てる。

跳ねた心臓が耳に響く。




ど… どど、どうしようっ…

顔が見える… 近い… 息がかかりそう!

息止める? 止めちゃう?



「 思い出せ、やっと見つけたんだぞ… 」



え…



右京の言ってる意味がわからない、そんな私とは裏腹に、スッと背を伸ばした右京が ゆったりと長い足を組んで座り直し、回る景色を見ている。



は~…… 息が出来る。

それにしても、なんで一人で遊園地なんだろ…

しかも夜に…

思い出せって、見つけたって、何?



メリーゴーランドがゆっくり止まりだした。

右京より先に立ち上がった私、止まるのを待ち降りるが、右京が来ない。


哲平が首を傾げ、私は右京のそばに行き覗いて声をかける。



「 あの、止まりましたよ?」

「 石倉 佑衣 」

「 え… はい、石倉 佑衣です 」



キャー! 名前~

…って、あれ、なんで知ってるの?



黙って立ち上がり馬車から出た右京はスタスタ歩いてピタリと止まり、私の前に立った。



「 やるよ 」

「 え… ひゃ… 」



頭にポスッと、帽子が被せられた。


哲平が私にコソッと、良かったねと…

突然の事に呆けて… 右京を一人きりには出来ないため、すぐに右京の後ろにピッタリくっつく。


そうして歩いて、結局右京は入り口に戻ってきた。



この帽子… ほんとにもらっていいの?


右京様、もう 帰るの?

メリーゴーランドが気に入らなかった?

夜のメリーゴーランドなんてステキなのに…

普通 乗れないし。



右京がまた急に止まって、私と哲平に向き合い何か言いたげ。



「 あの、楽しめました?」

「 ……全然 」



え… そうなの?

楽しくなかったんだ…


まぁ、一人でメリーゴーランドはねぇ…

私もいたけど。


もう帰っちゃうんだ…