哲平は、幸斗のために 私の気持ちをはっきり伝えてやれと言った。

それを胸に置き、園内を哲平とチェックし事務所に戻る。


午後7時。


主任と哲平、私の3人は入口で立ち待っていた。



「 さぁ これで我が遊園地も有名になるぞ~ 」



主任の張り切りに、哲平とコソコソ話す。




「 聞いたか、今の… お忍びで来るのに秘密にする気がなさそうだな… 」


「 ほんと、最悪ね… お忍びで来る意味ないじゃん… 」

「 けどさ、誰だろな… 」

「 うん、気になるね… お忍びだから かなりの有名人かも? 」



右京様だったらいいな~…

って、ダメ! ダメダメ!!


お忍びで来るのには 訳があるんだからっ…

藤野 彩月と熱愛報道あったし、まさか二人で?


いや~ ないよ、ないない。

右京様じゃない!

藤野 彩月となんて 断固反対っ!!



「 佑衣? 来たっぽい… 」


え!?


え…?



一人の女がヒールを鳴らし走って入口に来た。