『ドラマ仕立てでお願いします』


突然現れた佑衣、中村の目の前にいる。

たった数時間前に見た出来事に、改めて現実だと思い知った。

右京に知らせたくても、右京がなかなか気づかない上に撮影中…

もどかしい中村は迷った末に、佑衣に声をかける。



「 ねぇ、ねぇ 」

「 はい?」

「 今いいかしら、佑衣さんでしょ? ちょっと来て 」

「 え… ちょっ… あの、引っ張らないで 」



佑衣を振り向かせ、本人だと確認した中村は腕を引っ張り野次馬から離す。

佑衣は わけがわからないまま引っ張られ、あげく腕を振り払う。



「 何なの! 誰っ 」

「 あら… なんか 怒ってるね… 」

「 は? 知らない人に いきなりこんなことされたら誰でも怒るよ!」

「 知らない人って… あ、そうだ… あなたには損のない人よ、私は。断言できる。
けど 安心しろって言っても無理ね… とりあえず、一緒に撮影見ない? 来て 」



安心は出来ないと 眉を寄せる佑衣。

1歩下がり、中村を見ている。



「 右京のファンでしょ? 私は関係者だから 近くで見れるわよ?」

「 右京様を?」

「 右京…様? 様って… 」



中村は佑衣についてくるよう促し、監督の少し後ろに立った。