『ドラマ仕立てでお願いします』

とてつもなく会いたい気持ちが涙を誘う。

演じる右京が相手に冷たい態度や言葉で傷つければ 私までも悲しくなる。



「 どうしたら… 」



やっぱり現実に恋した方がいいよね…

紗凪の言う通り。



右京は私を選ばない、知らない多くのファンの一人。



「 トケイソウ、あんたには 相棒を買ったげる 」



私も トケイソウも、現実を見なきゃね。



ふと、誰のかわからないままの帽子が目についた。

持ち主は誰か…

なぜ自分が被っていたのか…



切なくなって、帽子を握りしめる。



『 …好きだ、莉歩… ずっとお前だけ 見てた… 』



ハッとした。

テレビの中の右京が、私に言ったと思って ドキドキと緊張で震えた。



莉歩… 莉歩じゃないよ、佑衣だよ?



突然、パパッ… と、部屋の明かりが点滅。



「 停電はやめてよ 」



パパッ… とまたしても点滅。

何事もなく過ごし、時間は夜9時半。


ドラマも終わり、テレビを消す。

帽子を持ったまま机に突っ伏した佑衣…



「 は~… もう寝ちゃおうかなぁ… 」