佑衣の熱が下がって、中村と話をしながら フルーツを食べる。

佑衣を目の当たりにし、警戒していた中村は すっかり佑衣に打ち解け 右京の話や自分の話をしていた。


夕方、日も暮れた頃…


中村の携帯が鳴った。



「 右京、撮影は?」

『 佑衣は? まだいるか?』

「 あんたは もう~… ちゃんといます、ご飯も食べましたけど? 」

『 もう着くから、佑衣を見張ってろ 』



言われた中村は佑衣に目を向ける。



「 中村さん、いい人ですね 」

「 ええ? も、そんな~ やだ、照れるから 」

「 私の上司も中村さんみたいなら 私もウサギにならずにすむのに… 」

「 あははは~ え? ウサギって言った? ……え、佑衣さ… 」



中村は、目の前の佑衣が薄くなったように見えた。

右京が帰るまでどれくらいか…



「 中村さん、右京様に会いたかったなぁ 今度はサインもらいたいです! 」

「 あ、サイン? ん、いいと思う…… 」

「 あと、写真も撮りたいし~ あ、中村さんの好きな人の話もしてあげたい 」

「 え! それダメよっ …ねぇ 佑衣さん、あなた… 」



楽しそうに話す佑衣、部屋にインターホンが鳴り、少しして、玄関が開きバタバタと…



「 佑衣っ… 佑… 」