右京と一緒にいたはずの佑衣は自宅に戻っていた。



「 あ、れ… 」



何をしていたか、右京の事は記憶にない佑衣…

ただ、頭を絞める違和感に手を伸ばすと、帽子を被っていた。



何、これ…

帽子… だよね?

私のじゃない、誰の…



帽子を見つめ、見に覚えのない物に困惑した。




「 私 やっぱり どうかしちゃった? ピアスも違う… メモ持ってたり、眼鏡とか…
あれ、眼鏡がない!! やだ、持ち主に返せないじゃん! どうしようっ 」



トケイソウの辺りを隅々まで探してみるが ない。



「 どうしようっ ほんとに 失くしちゃったよ… 」



涙目になる佑衣は、紗凪に電話する。



『 も~ 佑衣… 今ね、デート中… 』

「 紗凪! 大変なの、人の物を失くしちゃったの!」

『 何よ、何を無くしたの? ピアス?』

「 ううん、眼鏡… 大切な物だと思うの… 」

『 大切なら持ち主も失くさないし、似た眼鏡ならあるでしょ、そう気にしないの、じゃ またね 』




紗凪っ…

私にもわかんないけど、返さなきゃいけなかったの…