右京は好きに選んでいいと言い、紗凪と撮って以来の佑衣は画面操作していく。


右京は帽子を取ろうとしたが、佑衣に止められツバを後ろへ回した。




「 なんかドキドキしますね… ふぅ 」

「 突っ立ったままか? どうしたい?」

「 え… いえ、このままでも幸せなんで… 」

「 ……今 消えたら許さん 」



そう言って右京は佑衣の後ろに立ち腕を回す。


カチコチな佑衣に構わず右京が好きに立ち、佑衣にもポーズを強要。



「 佑衣、小指出せ 」

「 あ、はい… 」



小指を繋ぎ向き合う二人。



「 この小指に赤い糸って縁があるなら… 」

「 また会いたい?」

「 会いたい…です。でも、奇跡みたいな縁だから わかんないです。
今は ほんとに夢みたいで… 嬉しくてたまらない… 」



話す佑衣が時折 消え始め、右京は佑衣を見つめる。



「 嬉しいなら忘れるな 」

「 え、忘れ… わっ 」



右京は帽子を佑衣に被せた。



「 忘れるな!次 忘れてたら 怒るからなっ 」



右京に言われた佑衣は、笑みを見せ 忘れないと言いながら消えた。



一人プリクラ機に残された右京は、画面に触り写真が出来上がるのを待った。



「 …俺だけ持っててどうすんだよ、意味ないだろうが 」