『ドラマ仕立てでお願いします』

右京の言った言葉が耳にくっついて…

離れた右京の手と交代に私は耳を触る。




伊澤 右京… 私が会うために来てると?

確かに、この神戸は撮影場所なんだろうけど…

私は身一つだけでいる。

どうして、どうやって?




「 前ぶれなく、何の縁があるかは謎… でも あんたは 毎回 俺の前に現れて消える。
俺に会いたかった?」




言われても 目が動揺していて泳ぐだけ。



「 何にも覚えてないだろ、でも 俺からは逃げ出さないから 俺に会うためか… 」

「 あのっ… わかりません。でも、私が会うために来てるなら理由が知りたい… ピアスもなんで… 」

「 自分へのご褒美なんだろ、ピアスとネックレス 」



なぜ知ってるのか不思議でたまらない佑衣。



「 俺といられる時間は少しずつ長くなってる、でも いついなくなるか予測できない。
俺といて何がしたい? 」


「 何がしたい… 」



夢なら夢でいい…

限られてる時間なら、今だけでも 夢を叶えてみたい。

寝て起きたら 忘れてしまう夢で構わない。



「 手を… 手を繋いで歩きたい… 」

「 わかった 」



差し出される右京の手、暗くても外灯が照らす明かりで十分だ。



この手を握れば…

私だけの、ドラマになるよね。