「はよ、荻原。江坂」 低い声が後ろから聞こえてきて、反射的に振り返る。 声の持ち主が誰かなんて、すぐにわかった。 「おはよ、千夜」 「おっはよー!」 「...荻原。顔赤いけど、どうかしたのか?」 え、私? 元気の良すぎる那智になにか言うと思っていた私は、びっくりしすぎて一秒だけ止まってしまった。 「べ、別にっ」 大したことがあった、んだけど。千夜にわざわざ言わなくてもいいよね。 私はとっさに声になっていた言葉に、あとから言い訳をする。