こいつを無理に笑わせたくない。あからさまな作り笑顔向けてんじゃねぇよ。 泣きたい時くらい、泣けよ。 俺が、抱きしめてやるから。 「もし、」 「え?」 「もし同じ高校に入ったら、甲子園連れてくから。だから、その時まで涙はとっとけ」 きっと荻原は、今は俺の前で笑っているのだろう。俺がなんて言おうと、笑顔を崩さないのだろう。 でもせめて、その笑顔が本物になるように、涙を流させないように。 俺は、約束するよ。