「だから、ずっとそばにいろ」

「うん.....っ」

涙がポロポロこぼれてくるせいで、声が震えてしまう。

私は胡蝶蘭の花束をぎゅっと握りしめながら、千夜から少し体を離す。

そして引き寄せ合うように、私達は唇を重ねた。初めてのキスは、涙のせいでしょっぱくて、でも熱かった。

一瞬のキスをして唇を離して、私と千夜はおでこをコツンと合わせて笑い合った。


私の手には桃色の胡蝶蘭の花束。
後に知るその花の花言葉は、

“あなたを愛してます”