千夜はカバンから何かを取り出した。その“何か”は、私の涙を誘うものだった。 千夜は優しく笑った。 スーッと、千夜は“何か”を飛ばした。 その時、私の目から大粒の涙が一滴、こぼれ落ちた。 部室を一周回って、私の手元へ飛んできた。 「器用だね」 そうだ、千夜だった。 中学2年のある休み時間とき、男子が遊びでテストを紙飛行機にして遊んでいた中で、一番よく飛んでいたのが千夜だった。 「これ作るのは小さい時から得意でさ」 また一粒、涙が落ちた。その涙は、温かかった。